知れば知るほど奥の深い、コーヒーの世界。一口にコーヒーと言っても、産地や焙煎方法、挽き方などによって風味や味が異なります。
実際にコーヒー豆を購入するとき、さまざまな産地や名前を目にして、自分好みのコーヒーはどれなのか迷ってしまった経験があるのではないでしょうか。
本記事では、コーヒーの種類を見分けるポイントとその特徴を解説します。一般的にコーヒーの種類分けとして用いられる「産地」ごとの特徴一覧も掲載しましたので、コーヒーを選ぶ際の参考にしてください。
また、味や風味の好みごとにおすすめなコーヒーを紹介しました。どれを選んだらよいか分からないという人はぜひ参考にしてください。
現代のコーヒーは細かく分類すると、約200種類あると言われています。しかし、元をたどると、アラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種の3種類から成り立っています。
これが、いわゆるコーヒーの三大原種です。上記の3種類を原種とし、そこから、カトゥーラ、ティピカ、ブルボンなどの細かい品種に分類されていきます。
アラビカ種は流通量の約60〜70%を占める、メジャーなコーヒー豆です。味と香りが強く、甘味もあります。
ロブスタ種は、苦みや香ばしさがしっかりと感じられる反面、味のバリエーションはあまり多くありません。カフェインの含有量が多く、缶コーヒーやインスタントコーヒーなどに使用されるコーヒー豆のほとんどがロブスタ種です。
一方、三大原種のなかでもリベリカ種は、アラビカ種やロブスタ種に比べて生産量が少なく、日本ではなかなか手に入らない希少なコーヒー豆です。
コーヒーの三大原種から派生して、現代のコーヒーは約200種類まで増加しました。分類方法もさまざまです。
ここでは、一般的にコーヒーを分類する際に着目されるポイントに絞って解説します。
コーヒーの品種として、キリマンジャロやブルーマウンテンなどの名前を聞いたことがあるでしょう。これは、産地ごとのコーヒーの銘柄です。
なかでも、世界三大コーヒーと呼ばれるのは、ハワイ産コナ・タンザニア産キリマンジャロ・ジャマイカ産ブルーマウンテンの3つです。
コーヒーに詳しい人は豆の産地からそのコーヒーがどのような味わいか判断できるほど、産地によって味や香りが大きく異なります。
それぞれの特徴を一覧にまとめたので、詳しく知りたい人は3章「コーヒーの産地別特徴一覧表」をご確認ください。
焙煎とは、生のコーヒー豆に熱を加えて煎る工程のことです。焙煎前の生豆のままでは、コーヒーらしい味や香りがありません。
豆の成分に熱を加え化学変化を起こすことで、コーヒー独特の味や香りが生まれます。そのため、同じ銘柄のコーヒーであっても、焙煎の度合いによって、コーヒーの苦みや酸味に違いが出るのです。
焙煎方法は大まかに分類すると、浅煎り・中煎り・深煎り・極深煎りの4種類です。さらに細かく8種類まで分類した表現方法が用いられることもあります。
【コーヒー豆の焙煎方法と焙煎時間・風味の違い】
4種類の焙煎方法 | 8段階の焙煎方法 | 焙煎時間 | 風味 |
---|---|---|---|
浅煎り | ライト | 短
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酸味
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シナモン | |||
中煎り | ミディアム | ||
ハイ | |||
深煎り | シティ | ||
フルシティ | |||
極深煎り | フレンチ | ||
イタリアン |
浅煎りは色が薄めで、豆のフルーティさを残せるのが特徴の一つです。逆に、長い時間をかけて煎った深煎りは、豆の色が黒に近くなり、苦みやコクが増します。
コーヒーの淹れ方に合わせて、豆の挽き方を変えるとよりコーヒーの成分をうまく抽出できます。なぜなら、抽出器具によって、コーヒーの粉とお湯の接し方や時間が違うからです。
器具と挽き方が合っていないと、豆の成分がうまく抽出されず、本来の味を再現しにくくなります。豆の挽き方は、一般的に以下の5段階です。
【コーヒー豆の挽き方と適した抽出方法】
挽き方 | 粉の状態 | 適した抽出方法 |
---|---|---|
極細挽き | パウダー状の粉 | エスプレッソ |
細挽き | 上白糖とグラニュー糖の中間程度の粒感 | ウォータードリップ |
中細挽き | グラニュー糖程度の粒感 | ペーパードリップ・コーヒーメーカー |
中挽き | グラニュー糖とザラメの中間程度の粒感 | フレンチプレス・サイフォン・ネルドリップ |
粗挽き | ザラメのような大きめの粒 | パーコレーター・金属フィルターによるドリップ |
細かく挽いたコーヒー豆は、抽出時間が長い方法で淹れると苦みや渋みが出てしまうので注意が必要です。
一般家庭でよく用いられるペーパードリップやコーヒーメーカーに適した挽き方は中細挽きなので、基準として覚えておくとコーヒーを選ぶ際に迷わず便利でしょう。
コーヒーの淹れ方は、主に以下の7種類です。
ネルドリップとは、ペーパードリップと同じ淹れ方ですが、紙ではなくネルと呼ばれる布製のフィルターを使用する淹れ方です。紙のフィルターに比べて目が粗いため、コーヒーの成分が多く抽出されます。
サイフォンは、喫茶店などによくあるコーヒーの抽出機器です。視覚的にコーヒーが出来上がるまでの様子を楽しめるため人気があります。
フレンチプレスは紅茶を淹れる道具として認知されている傾向にありますが、もともとはコーヒーを淹れるために開発された道具です。掃除の手間が少なく、簡単にコーヒーを淹れられます。
キャンプや登山など、アウトドアでコーヒーを楽しむ方法としては、パーコレーターがおすすめです。本体はやかんのような形状で、直火にかけてコーヒーを抽出します。
どの淹れ方にも共通していえるのが、淹れ方に適した豆の挽き方を選択するということです。「挽き方の種類」でも述べたように、抽出方法に適した豆の挽き具合があります。
豆本来の美味しさを引き立てるためには、挽き方と淹れ方が合っていることが重要です。
たくさんの種類があるカフェメニューを前に、どれを頼んだらよいか迷ってしまったことがある人も多いでしょう。
カフェメニューを大まかに分類すると、ベースがエスプレッソなのかドリップコーヒーなのかという違いがあります。
【ベース別カフェメニュー一覧】
ベース | 口型 | 特徴 |
---|---|---|
エスプレッソ | エスプレッソ | 高い圧力での抽出により、コーヒーの味が濃厚。 |
マキアート | エスプレッソに泡立てたミルクを加えたもの。エスプレッソの苦みがミルクによってまろやかに。 | |
カプチーノ | エスプレッソに蒸気で温めたミルクとフォームミルクを加えたもの。 | |
カフェラテ | カプチーノと似ているが、フォームミルクの量が少なく、代わりにスチームミルクの量を多くしているため、苦みが少なくまろやかな味わい。 | |
フラットホワイト | 南半球でメジャーなカフェメニュー。エスプレッソにスチームミルクを加えたもの。 | |
アメリカーノ | エスプレッソをお湯で薄めたコーヒー。 | |
カフェモカ | エスプレッソに、チョコレートシロップ・スチームミルク・ホイップクリームを加えた、スイーツのようなコーヒー。 | |
ドリップコーヒー | アメリカンコーヒー | 浅煎りのコーヒー豆で淹れたコーヒー。強い酸味とあっさりとした味わいが特徴。 |
ブレンドコーヒー | 2種類以上のコーヒー豆を混ぜて作ったコーヒー。それぞれの豆の良さをバランスよく配合して、お店独自の味を作ることができる。 | |
カフェオレ | ドリップコーヒーとミルクを半分ずつ混ぜ合わせたもの。カフェラテと混同されがちだが、ドリップコーヒーがベースなので、コーヒーの苦みがより抑えられている。 | |
ウィンナコーヒー | ドリップコーヒーの上にホイップクリームをのせたコーヒー。「ウィーン風のコーヒー」という意味。 |
エスプレッソをベースに作られたカフェメニューは、濃度の濃いコーヒーの味や香りを残しつつ、ミルクやお湯を加えてマイルドな味わいとなっています。
一方、コーヒーの苦さが苦手という人には、ドリップコーヒーをベースにしたカフェメニューがおすすめです。
ここでは、一般的にコーヒーの種類として分類に用いられる「産地」別の特徴を一覧表にしました。
産地によって、苦みやコク、香りなどに違いがあるので、自分好みのコーヒーはどの産地か確認してください。
【コーヒーの産地別特徴一覧表】
銘柄 | 生産地 | 特徴 |
---|---|---|
コナ | ハワイ | 自然な甘さ・深いコク・フルーティな味わいでバランスの優れたコーヒー。 |
キリマンジャロ | タンザニア | 強い酸味とコク深さから「野性味あふれる味」と表現されることもある。 |
ブルーマウンテン | ジャマイカ | 「コーヒーの王様」とも呼ばれる。
滑らかな喉越しと芳醇な香り、バランスの良い味わいが特徴。 |
モカ | イエメン・エチオピア | フルーティさと甘みが感じられる。
コクもある。 |
ブラジル | ブラジル | 酸味と苦みのバランスが絶妙なため、ブレンドコーヒーのベースとして使用されることも多い。 |
グアテマラ | グアテマラ | 果物のような酸味と、広がる甘い香り、さらにコクの深さもある。 |
コロンビア | コロンビア | 自然な甘さとコク深さ、果物のような程よい酸味もある、バランスの良いコーヒー。 |
マンデリン | インドネシア | 苦みとコクがはっきりしている代わりに、酸味は抑えめ。ハーブのような上品な風味がある。 |
おおまかに分類すると、苦味やコクを求めるならアジア地域産の豆、すっきりとした酸味が好みであればアフリカ寄りの産地の豆がおすすめです。
バランスよく味わいたい人は、南米寄りの産地の豆を選択しましょう。マイルドで飲みやすいコーヒーを楽しめます。
ここからは、好みの味別におすすめなコーヒーを紹介するので、すぐに自分の好みに合うコーヒーを見つけることが可能です。
苦めでコクがあるコーヒーが好みの人は、アジア地域産のロブスタ種の豆がおすすめです。特にインドネシアやベトナム産のコーヒー豆は、深いコクと苦みが感じられます。
また、煎り方は深煎りにすると、苦みが少ないコーヒー豆でもビターな味わいを付与できます。
【苦めでコクがあるおすすめコーヒー】
キーコーヒー KEY D+スペシャルブレンド深煎り豆 | 三本珈琲 吟煎マンデリンブレンド | キーコーヒー グランドテイスト ドリップ コク深いリッチ | 味の素AGF ブレンディ インスタント瓶 インスタントコーヒー |
---|---|---|---|
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キーコーヒーを代表するスペシャルブレンドを深煎りしたことで、より深いコクと穏やかな苦みが長く持続するのが特徴。 | 穏やかな苦みと深いコクが感じられるコーヒー。酸味は抑えめなので、酸味が苦手な人におすすめ。 | ブラジルやベトナム産のコーヒー豆を使用。ミルクや砂糖にもよく合う深いコクが特徴的なコーヒー。 | ブラジルやラオス産の豆を使用した、まろやかで豊かなコクと苦みが特徴のコーヒー。カフェオレにもピッタリな商品。 |
エスプレッソをベースに作られたカフェメニューは、濃度の濃いコーヒーの味や香りを残しつつ、ミルクやお湯を加えてマイルドな味わいとなっています。
一方、コーヒーの苦さが苦手という人には、ドリップコーヒーをベースにしたカフェメニューがおすすめです。
エチオピアやタンザニアなどアフリカ寄りのコーヒー豆は、酸味がありすっきりとした味わいのコーヒーが楽しめます。銘柄だと、キリマンジャロやブルーマウンテンなどがおすすめです。
また、焙煎度合でも酸味を調節できます。浅煎りになればなるほど、酸味が強くフルーティな味わいになります。
【酸味とすっきりした味わいでおすすめなコーヒー】
キーコーヒー KEY D+キリマンジャロブレンド豆 | 味の素AGF ちょっと贅沢な珈琲店 キリマンジャロブレンド レギュラーコーヒー粉 | キーコーヒー KEY DOORS+ ドリップ オン モカブレンド | 片岡物産 匠のドリップコーヒー モカブレンド |
---|---|---|---|
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タンザニアやコロンビア産のコーヒー豆を使用。上品な酸味と濃厚なコクを楽しめるコーヒー。 | すっきりとした味わいのキリマンジャロを採用。爽やかな香りもおすすめポイントの一つ。 | エチオピア産のコーヒー豆を使用し、甘い香りと上品な酸味を楽しめる。蒸らしの工程を自動的にできる特殊フィルターを採用。 | やや深めの焙煎ながら、香り高くまろやかな甘みのあるコクを実現。すっきりと飲みやすいコーヒー。 |
酸味と苦みのバランスがよく、マイルドな味わいが好みの人は、コーヒー豆の産地は南米寄りがおすすめです。たとえば、グアテマラやブラジルなどの豆は味のクセが少なく飲みやすい傾向にあります。
焙煎方法も、基準となる中煎りが良いです。バランスがとれたコーヒー豆は、自分の好みがまだ分からないという人にも向いているでしょう。
【バランスのとれた味わいでおすすめなコーヒー】
UCC ゴールドスペシャル 炒り豆 リッチB レギュラーコーヒー 豆 | ネスレ日本 スターバックスハウスブレンド レギュラーコーヒー 粉 | 味の素AGF ちょっと贅沢な珈琲店ドリップ スペシャルB | ネスレ日本 ネスカフェ ゴールドブレンド |
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ブラジルとベトナム産のコーヒーをバランスよくブレンドした商品。万人受けする本格コーヒー。 | ラテンアメリカ産のコーヒー豆をミディアムローストした、トフィーのような香ばしさと甘みを兼ね備えたコーヒー。 | ブラジル産の最上級グレードの豆を贅沢に使用。深いコクとすっきりとした後味が特徴のコーヒー。 | 酸味を抑えたすっきりとした味わいを実現。フリーズドライ製法で、風味と香りを持続させたインスタントコーヒー。 |
いろいろな味を飲み比べて自分好みのコーヒーを探したいという人は、バラエティパックで試すのがおすすめです。できれば、苦みやコクがあるタイプと酸味・フルーティさがあるタイプなど、両極のコーヒーが試せるような商品がよいでしょう。
また、さまざまな味が揃っているバラエティタイプは、複数人で飲むシチュエーションにも便利です。好みが違っても、それぞれ美味しいと思えるコーヒーを楽しめます。
【いろいろな味を飲み比べたい人におすすめなコーヒー】
片岡物産 モンカフェ バラエティセブン ドリップコーヒー | 伊藤園 タリーズ ドリップアソート ドリップコーヒー | キーコーヒー ドリップオン バラエティパック ドリップコーヒー | 味の素AGF ブラックインボックス 焙煎アソート スティックコーヒー |
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コロンビア・ブラジル・モカ・マンデリン・グアテマラなどのさまざまな銘柄のコーヒーが試せる商品。 | 香りにこだわった3種類のコーヒーを楽しめる商品。おしゃれな包装で、プチギフトとしてもおすすめなアイテム。 | コーヒーのフルーティな酸味を感じられるものから、軽やかな苦みとスモーキーさを味わえるものまで、さまざまな味わいを楽しめる。 | 浅煎りから深煎りまで焙煎度の異なる4種類を味わえる商品。スティックタイプなので、サッとブレイクタイムを楽しみたいときに最適。 |
コーヒーの種類に関して、よくある質問を3つ取り上げました。以下の点を疑問に思っている人はぜひ参考にしてください。
焙煎方法が深煎り以上、もしくは、インドネシア産やベトナム産のコーヒー豆を使用している場合、コーヒーは苦くなります。
苦味の原因のひとつは、クロロゲン酸と呼ばれる成分です。クロロゲン酸は、じっくり熱が加わると苦味成分に変わるという特徴があります。
さらに、深煎り以上になると「焦げ」からくる苦味を感じるようになります。逆に酸味を感じる成分は加熱により分解されていくので、焙煎度が高くなればなるほど、苦味は強く酸味は弱いコーヒーを味わうことが可能です。
また、コーヒー豆は産地によって、風味や香りが違います。インドネシアやベトナムなど、アジア地域産のコーヒー豆は、強い苦味とコク深さを楽しめる豆として有名です。
美味しいコーヒーを淹れるためのポイントの一つは、淹れ方に応じて適した豆の挽き方を選択するということです。
ここでは、一般家庭でよく用いられるペーパードリップでの美味しい淹れ方をご紹介します。ペーパードリップに適したコーヒー豆の挽き方は、中細挽きです。
まずは、以下のものを用意しましょう。
以下の手順を守ると美味しいコーヒーが淹れられます。
手順5では、フィルター内のお湯が下がってきたタイミングで次のお湯を注ぐような要領でドリップするのがおすすめです。
本記事では、コーヒーの種類と好み別のおすすめコーヒーについてご紹介しました。ポイントは以下の3つです。
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※掲載されている情報はカウネットが独自に制作しています。掲載内容や商品仕様に変動がある場合がありますので、最新の商品の詳細や価格については、カウネットサイト商品詳細ページよりご確認ください。