快適な通信環境を構築するには、LANケーブル選びも重要なポイントです。しかし、専門的な知識が必要なことから、「どのように選べば良いかわからない」という人もいるでしょう。
本記事では、LANケーブルの選び方をカテゴリ・形状・構造・長さ・機能の5つのポイントから解説します。用途別の選び方やおすすめ商品5点も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
おすすめのLANケーブルを詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
LANケーブルとは、パソコン・ゲーム機・ルーターなどの機器を有線で接続し、データ通信を行うためのケーブルを指します。
正式には「イーサネットケーブル(Ethernet Cable)」とも呼ばれ、Wi-Fiに比べて通信が安定しやすく、速度低下や遅延が起こりにくいのが特徴です。
LANケーブルにはカテゴリと呼ばれる規格があり、カテゴリや構造によって性能が異なります。
用途や接続機器に適したタイプを選ぶことで、動画視聴やオンラインゲームなど、あらゆるシーンで快適なネット環境を実現できます。
LANケーブルを選ぶ際は以下のポイントを確認するのが基本です。
特にオンラインゲームや動画配信、リモートワークなどでは通信の安定性が求められるため、事前にポイントを把握しておくと失敗を防げます。
ここではそれぞれのポイントをわかりやすく解説します。
カテゴリ(CAT)は、LANケーブルの通信性能を示す規格です。最大通信速度と伝送帯域で分類され、数字が大きいほど広い周波数帯域に対応します。
【LANケーブルのカテゴリ】
| カテゴリ | 最大通信速度 | 伝送帯域 |
|---|---|---|
| CAT5e | 1Gbps | 100MHz |
| CAT6 | 1Gbps | 250MHz |
| CAT6A | 10Gbps | 500MHz |
| CAT7 | 10Gbps | 600MHz |
| CAT8 | 40Gbps | 2000MHz |
家庭やオフィスで1Gbpsまでの回線を使うならCAT5e‐CAT6で十分。10GbpsクラスならCAT6Aが目安です。
ただし、単純に上位規格ほど快適な通信環境を構築できるわけではありません。CAT7・CAT8はシールド付き(STP)が前提の規格で、本来の性能を引き出すには機器側の適切なアース処理が必要とされています。
アース端子のない家庭用ルーターではシールドがノイズを拾う要因になりかねないため、回線と機器の速度に見合った規格を選びましょう。
LANケーブルには「スタンダードタイプ」「フラットタイプ」「極細タイプ」など、形状の違いがあります。
【LANケーブルの形状】
| スタンダードタイプ | 耐久性に優れ、長期使用向き。 |
|---|---|
| フラットタイプ | 厚みが薄く、カーペットの下やドアの隙間など、配線を目立たせたくない場所向き。 |
| 極細タイプ | 取り回しがしやすく、狭いデスク周りやノートPC用として便利。 |
| メッシュタイプ | 編み込みの外皮で引っ張り強度が高く、断線に強い。 |
| やわらかタイプ | 曲げやすく束ねやすい。凹凸のある壁沿いの配線に向いている。 |
細いケーブルは断線リスクがやや高いため、頻繁に動かす環境では注意する必要があります。
特にゲーミング環境では、しっかりと固定できる耐久タイプがおすすめです。
形状によって使い勝手が大きく変わるため、設置環境に合わせて選びましょう。
LANケーブルの構造は、通信品質を左右する重要な要素です。
構造は主に「UTP(Unshielded Twisted Pair)」と「STP(Shielded Twisted Pair)」の2種類があります。
【LANケーブルの構造】
| UTP | シールド(外部ノイズを防ぐ金属層)がないタイプ |
|---|---|
| STP | シールドがあり、外部からの電磁波干渉を防いで通信の安定性が高い |
UTPは軽くて柔らかく、一般家庭での利用に向いています。
一方で、強い電磁ノイズが出る機器が多い環境や、工場・サーバールームなどではSTPケーブルが有利になります。
また、内部の銅線には単線とより線の2種類があることもおさえておきましょう。単線は信号が減衰しにくく10m以上の長距離配線に向いているのに対し、より線は柔軟で5m以下の取り回し重視の配線に適するとされています。
オフィスの壁沿いに長く引くなら単線、デスク周りで機器をつなぐならより線がおすすめです。
LANケーブルの長さは、「必要な距離+1m程度の余裕」で選びましょう。短いほど信号の減衰が少なく安定しますが、短すぎると思い通りのレイアウトが実現できません。
【部屋の広さと長さの目安】
| 部屋の広さ | 長さの目安 |
|---|---|
| 4.5畳 | 約5m |
| 6畳 | 約7m |
| 8畳・10畳 | 約10m |
上記はルーターとパソコンを部屋の対角に置き、壁沿いを這わせた場合の目安です。畳数を基準とした目安のため、洋間では異なる場合があります。
LANケーブル選びで失敗のリスクを減らすなら、購入前に配線ルートを測っておくと安心です。
部屋をまたぐときは10m以上必要なケースもありますが、長すぎるとノイズの影響を受けやすくなるので注意しましょう。
使用環境に応じた機能を備えた製品を選ぶと、購入後の不満を減らせます。
| 機能 | 特徴 |
|---|---|
| ツメ折れ防止 | コネクタのツメが折れにくく、抜き差しの多い環境に適する |
| 屋外対応 | 紫外線や雨に強く、防水・耐候性に優れる |
| 巻き取り式 | 必要な長さだけ引き出せ、持ち運びに便利 |
| PoE対応 | LANケーブル1本で通信と電力供給を兼ねられる |
たとえばPoE(Power over Ethernet)は、電源のない場所に防犯カメラや無線アクセスポイントを設置するときに役立ちます。
PoEを使用する場合は電流を流しやすい単線タイプを選ぶのに加え、束ねたまま使わないようにしましょう。使用方法を誤ると、給電能力や通信品質が落ちるおそれがあるので注意が必要です。
ここからは、利用シーンごとの選び方を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
テレワークやWeb会議には、CAT6以上で、取り回しやすい「より線」タイプのLANケーブルを選びましょう。Web会議で重視したいのは、最大通信速度よりも映像や音声が途切れない安定した通信環境です。
画面が固まったり音声が途切れたりする場合、回線速度ではなく、Wi-Fiの混雑や遅延が原因になっていることもあります。こういったトラブルは、有線接続に切り替えるだけで改善するケースも少なくありません。
長さについてはレイアウトによりますが、ルーターとデスクが同じ部屋にあるなら1‐5m程度が目安です。余ったケーブルが邪魔にならないように配線距離を測ったうえで、必要な長さより少し余裕のある製品を選びましょう。
オンラインゲーム用にはCAT6でも十分ですが、将来の高速回線や機器の買い替えまで見据えるなら、10Gbps通信に対応するCAT6Aを選ぶのもおすすめです。ゲームプレイはもちろん、ライブ配信や大容量アップデートも余裕を持って行えます。
ただし、実際の通信速度はルーターやパソコン、回線契約などの性能にも左右されるので注意しましょう。たとえば、ルーターのLANポートが1Gbpsまでの場合、ケーブルだけをCAT6Aに替えても10Gbpsで通信できるわけではありません。
長さについてはルーターから機器まで無理なく届く範囲で、できるだけ余りが出ないものを選びましょう。
なお、電源ケーブルと長い距離を並行して配線するとノイズの影響を受ける可能性があるため、両者を離して配線するなどの工夫をしましょう。
オフィスの壁沿いや天井裏に固定する場合は、通信の安定性に優れた「単線」のスタンダードタイプがおすすめです。単線はケーブルが硬く取り回しにくい一方、長距離でも信号が減衰しにくいため、動かすことの少ない固定配線に向いています。
複数の従業員がクラウドストレージや社内サーバーへ頻繁にアクセスする環境では、CAT6A以上を検討しましょう。ただし、通信速度はルーター・スイッチングハブ・サーバー・インターネット回線など、ネットワーク全体の構成によって決まります。
とくに10Gbps環境を整える場合は、接続する機器も対応しているか確認しましょう。
なお、通路や床を横断する箇所には、ケーブルモールや配線カバーを使用すると安全です。つまずきや踏みつけによる事故を防ぎ、ケーブルの断線や劣化も抑えられます。
屋外にネットワーク機器を設置する場合は、「屋外対応」「防水」「耐候性」などに対応したLANケーブルを選びましょう。屋内用ケーブルを屋外で使用すると、紫外線や雨、温度変化によって被覆が劣化し、通信障害や断線を招きかねません。
屋外での主な活用シーンとしては、駐車場や玄関に設置する防犯カメラ、屋外用の無線アクセスポイントなどが挙げられます。電源を確保しにくい場所では、LANケーブル1本で通信と給電を行えるPoE対応機器が便利です。
PoEを活用する際はケーブルだけでなく、ルーターやスイッチ、接続機器も同じPoE規格に対応しているか確認してください。
屋外でネットワーク環境を構築する場合は、コネクタ部分の防水処置も必要です。屋外では接続部から水が入りやすいため、防水コネクタや防水ボックスを使用し、メーカーが指定する施工方法に従いましょう
特に「エレコム」「バッファロー」「サンワサプライ」「VENTION」の4ブランドは、価格・性能・デザインのバランスに優れ、家庭用からゲーミング用途まで幅広く対応しています。
ここではそれぞれのメーカーの特徴と人気モデルを紹介します。
エレコムは日本を代表するPC周辺機器メーカーで、LANケーブルでも高いシェアを誇ります。
スタンダードモデルからゲーミング向けの高性能モデルまで幅広く展開しており、特に下記のようなツメ折れ防止カバー付きケーブルや、取り回しやすいフラットタイプが人気です。
また品質管理が厳しく、長期間使っても劣化しにくい点も評価されています。
初めてLANケーブルを購入する人からプロユーザーまで、幅広い層におすすめできる信頼ブランドです。
バッファローはネットワーク機器に強く、LANケーブル以外にもルーターやHDDなどで高い評価を得ているメーカーです。
バッファローのLANケーブルは、通信品質と耐久性のバランスが取れており、特に家庭用・オフィス用として安定した人気を誇ります。
CAT6A・CAT7対応モデルでは、ノイズの軽減と高い伝送速度を両立しており、フラットタイプや極細タイプなど、設置環境に合わせた形状展開も豊富です。
下記のように、コネクタ部のツメ折れ防止設計やカラー展開など、細部まで使いやすさにこだわった商品が販売されています。
バッファローはルーターも含めネットワーク機器のラインナップが豊富なので、同じブランドで揃えたい人にも選びやすいメーカーです。
サンワサプライは、オフィス機器やパソコン周辺アクセサリを数多く展開するメーカーです。
LANケーブルでは業務用・プロ向けラインナップが充実しており、高品質な銅線を使用し、長距離配線でも通信ロスを抑える設計が特徴です。
また屋外用やSTPタイプなど特殊用途にも対応した製品が多く、企業ネットワークや施設設置にも向いています。
実際に下記のような耐水性・耐候性に優れた屋外用LANケーブルが販売されています。
加えてケーブルの柔軟性や断線耐性にも優れており、長期間の安定運用が可能です。
価格も手頃で、性能とコストのバランスを重視するユーザーに人気があります。
VENTION(ベンション)は、LANケーブルやUSBケーブル、映像・音声関連製品など、幅広いデジタル周辺機器を展開するグローバルブランドです。
LANケーブルでは、Cat6からCat8までの高規格モデルを取り扱っています。高速かつ安定したネットワーク環境を構築しやすい点が特徴です。
また、取り回しやすい薄型ケーブルやノイズを抑えるシールドタイプ、狭い場所で使いやすい直角コネクタなど、用途に合わせた製品が充実しています。
実際に、最大40Gbpsの通信速度と2,000MHzの伝送帯域に対応したCat.8薄型LANケーブルも販売されています。
「通信が遅い」「接続が不安定」だと感じたときは、LANケーブルのカテゴリや状態を確認しましょう。チェックしたいポイントは「カテゴリ」と「劣化のサイン」の2つです。
カテゴリは、ケーブルの被覆に印字されている「CAT5e」「CAT6」などの表記で確認できます。現在のネットワーク環境に適さないカテゴリのものを使用すると、通信環境が悪化する可能性があるため、回線速度や接続機器に合ったカテゴリかどうかを確かめてください。
また、LANケーブルは長期間使用できるものの、寿命は配線環境や扱い方によって異なります。劣化したまま使い続けると、通信が不安定になったり断線したりする可能性があるため、ひび割れや破れがあるなど、異常が見られた場合は早めに交換しましょう。
通信速度が遅いのは、必ずしもLANケーブルに原因があるとは限りません。通信速度は契約回線の混雑・ルーター・パソコン・スイッチングハブなど、さまざまな要因によって左右されるため、別に原因がある場合はLANケーブルを交換しても改善ができない可能性があります。
たとえば、ルーターやパソコンのLANポートが1Gbpsまでしか対応していない場合、10Gbps以上に対応するLANケーブルへ交換しても、通信速度の上限は1Gbpsのままです。このようなケースでは、高カテゴリのLANケーブルを購入しても十分な改善は期待できません。
通信速度を改善したいならLANケーブルを購入する前に、契約回線や各機器の対応速度などを確認し、まずはどこがボトルネックになっているかを特定しましょう。原因を明確にすることで、本来必要のない買い替えによる余分な出費も防げます。
この記事ではLANケーブルの選び方の解説をはじめ、おすすめのメーカー・ブランドをご紹介しました。
ポイントは以下の3つです。
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※掲載されている情報はカウネットが独自に制作しています。掲載内容や商品仕様に変動がある場合がありますので、最新の商品の詳細や価格については、カウネットサイト商品詳細ページよりご確認ください。