外壁や内装を塗装するときに欠かせない養生テープ。
しかし、一度貼りつけるとうまく剥がせなくなり、テープの粘着部分が残ったり、土台も一緒に剥がしてしまったりして、綺麗に取れないことがあります。
実は、養生テープは家庭にあるアイテムを使って簡単かつ綺麗に剥がすことが可能です。
本記事では、養生テープの剥がし方を一覧で紹介するとともに、養生テープを剥がすときの注意点を解説します。
養生テープを剥がすときに役立つアイテムや、剥がしやすい養生テープも紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
養生テープが残ってしまう現象は「糊残り」と呼ばれ、被着体表面に粘着剤が残ってしまうことを指します。主に糊残りは「被着体と粘着剤の相性」「乾燥などの環境による変化」が原因で発生します。
養生テープは塗装工事などの短期使用向けに作られており、2週間程度貼っているだけであれば糊残りはほとんど発生しません。
しかし、長い時間が経過すると粘着剤が乾燥して強度を持ち、剥がれにくくなり、粘着剤が残ってしまうこともあるのです。
また貼り付ける前からテープの接着面がベタベタしている場合には、より糊が残りやすくなってしまうこともあります。
このような原因から、養生テープを養生以外の目的で使用する場合でも、半年以内には剥がすか貼り替えるようにしましょう。
剥がしにくくなった養生テープは、市販のアイテムや家庭にあるものを使用することで綺麗に剥がすことができます。
ここでは、養生テープを剥がすときに役立つ4つのアイテムを紹介します。
ホームセンターやドラッグストアなどで販売されている市販のシール剥がしを活用すれば、古くなった養生テープの糊跡もきれいに剥がせるようになります。
シール剥がしには粘着部分を落とす専用の剥がし液が含まれており、剥がしたい箇所に液をかけることによって、手軽にテープを剥がすことが可能です。
シール剥がしにはジェルタイプやスプレータイプなどの種類があり、数百円で購入が可能です。
テープ跡が広範囲の場合や、こびり付きが強い場合には、シール剥がしの使用が便利です。
養生テープの糊が残ったところを剥がしたい場合は、マスキングテープが役立ちます。
同じ粘着剤同士はくっつきやすいという特徴を持っていることから、マスキングテープの粘着面で何度もペタペタすれば、養生テープの糊残りを除去できます。
特にゴム系の粘着剤は粘着力が強いため、マスキングテープで吸着していく方法が効果的です。
剥がしにくい養生テープやシールを剥がした後ののり跡を取りたいときは、エタノールが役立ちます。
養生テープを剥がす前にエタノールをかけて少し時間を置き、ヘラなどを使って剥がせば、跡が残らず仕上がりも綺麗です。
特に、窓ガラスや床などの硬い場所に貼り付けた養生テープを取り除く際は、 エタノールを使うのが手っ取り早い方法となっています。
エタノールには無水エタノールと消毒用エタノールがありますが、無水エタノールの方がアルコール濃度が高いため清掃する際に役立ちます。
無水エタノールは洗浄力が高く、水拭きができない電化製品の清掃などにも使用可能です。
シール剥がし以外にもさまざまな用途に使えるため、家庭やオフィスに置いておくと何かと役立ちます。
ただし、無水エタノールは引火しやすい性質を持っているため、どのような用途でも必ず火の気や静電気のないところで使用しましょう。
家庭にある食器用洗剤やお酢、消しゴムなどを使って養生テープを剥がすこともできます。
食器用洗剤には、シールの粘着力を弱めさせる界面活性剤が含まれており、養生テープやテープののり跡を落とすときに活用できます。
養生テープに洗剤をかけてラップで覆い、15 - 20分ほど置いてから水を含ませた布やスポンジ、ヘラや定規を使って少しずつ剥がしましょう。
なお、食器用洗剤は水に弱い電化製品や紙、布には使用できません。
また、お酢に含まれる酸にもシールの粘着力を弱める作用があるため、食器用洗剤と同様にテープを綺麗に剥がすことができます。
ただし、匂いが残ってしまう点と、金属などには使えない点に注意が必要です。
ベタベタとした粘着部分を剥がしたいときは、消しゴムが役立ちます。
文字を消すときと同じように消しゴムを擦ると、消しカスと一緒にテープの粘着部分が剥がれていきます。
消しゴムを使えば土台を傷付ける心配が少ないため、専用液や洗剤を使えない場合に便利です。
誤った方法で養生テープを剥がそうとすると、テープが貼り付けられている箇所に傷がついてしまう可能性があります。
ここでは、養生テープを剥がすときに注意すべき2つのポイントを解説します。
シール剥がしやエタノール、食器用洗剤などの液をかけると、床材の素材によっては変色や変形が発生することがあります。
洗剤や専用の溶剤を使うときは、養生テープが貼られている床材に問題がないかを確認して、取り扱いに十分に気を付ける必要があります。
薬液を塗っても問題ないか心配な場合は、目立たない箇所に少量だけ塗って反応を確かめておくと良いでしょう。
消しゴムやマスキングテープを使えば、床材の素材を傷めずに除去できるので安心です。
養生テープを剥がすときに力を入れすぎてしまうと、接着面を傷付けることがあるので注意が必要です。
粘着面が落ちないと強くこすってしまいがちですが、強い力で剥がすと土台を傷つけたり、テープ跡が残ってしまったりします。
洗剤や専用の溶剤を使って養生テープを剥がすときは、少し多めにかけて時間を置いてから剥がすと、強い力を入れなくてもテープを剥がしやすくなります。
粘着面を取るときにヘラを使うときは、テープが貼られている素材を削らないように注意が必要です。
粘着面がなかなか取れないときは、消しゴムやマスキングテープなどの床材の素材を傷めずに除去できるアイテムを使うと良いでしょう。